最近はフェイスブックで独り言をつぶやいているのでこちらの更新が滞っていました。もちろんFacebookもウソではありませんが、こちらのほうがより本音を言っているというか、好き放題言わせてもらっています。
ゴールデンウイークは行政書士にとっては全くのヒマな時期で、行政庁が開いていないのでやることがないというか、なにもやれないのです。
もちろんホームページの更新とか新しい実務の戦略を練るとかもあるのかもしれませんが、それらをやったとしてもさらに時間が余るのがゴールデンウイークです。
最近は体も健康だし仕事も順調です。なんだかんだで何の心配もなく生活できているということは、ここしばらくの僕の選択は間違っていなかったんだと思っています。
思い返せば今から10年前、32歳からの5年間くらいは自分でいうのもなんですが本当にどん底でした。
僕は30歳の時にとあるソムリエコンクールで優勝しました。
優勝して1~2年はどこに行っても持ち上げられるし、メディアにも頻繁に取り上げてもらっていました。交友関係も一気に広がり今までは話したことがない人とも友人関係が築けます。
しかし、2年くらいたつとそれまで注目されていたのが一気に薄れます。ところが自分は持ち上げられていた経験がなまじあるのでどこかに奢りがあり、謙虚さが持てなくなってくるのです。
もちろん自分では「謙虚でいよう、奢りなんて絶対に嫌だ」とは思っているのですが、それでもどこかに出てしまうのが僕の器量でした。
当時経営していたレストランをはなれ、六本木のダイニングバーを経営することになったのですが、収入も半分以下になったし、低いモチベーションで生活していたので自分自身にも魅力がありません。
幸い経営していたダイニングバーは黒字でしたが自分が生活できるギリギリ程度でした。
いまでも覚えていますが、イタリアンレストランを去ることになり、ダイニングバーで一人寂しくいる僕を見かねて以前のお客様も気晴らしにいろいろなお店に誘ってくださいました。
そのお客様からすれば気晴らしにでもなればと思ってくれていたかもしれませんが、正直に言えば僕自身は慰められている気がしていい気はしませんでした。
そんななか、一人のお客様がダイニングバーにひょっこりやってきます。
僕は自分の置かれている窮状をさらしたくなかったのでできる限り涼しい顔をして接しましたが、あまりにも不憫な僕を見て
前場さん、ひとが離れていくのが怖いでしょ?
と一言いったのです。
この一言はここ10年くらいで一番衝撃のひとことです。そしてさらに
他人が離れていくのは仕方がない。それ以上に自分が魅力的になれば離れていくひと以上にひとは寄ってくる
と続けました。
この言葉は見かけ以上に深いと思っています。
もちろん当時の僕はひとがはなれていくことが怖くて仕方がなく、他人の顔色ばかりをうかがっていた気がします。
そして、他人のことなんて気にせずに思い切り生きろというスタンスも耳触りがいいでしょう。
しかし、この言葉は裏を返すと「人間なんて薄情な生き物なんだからそれを受け入れろ」という風にもとらえることができます。
僕は人間に対して真正面から見すぎていたため斜めから見ることを毛嫌いしていた部分がありました。
もちろん斜めから見すぎていてもただのいじわるなのでよくはありませんが、人間の本質から目を背けるなという部分はこの一言でだいぶ教わった気がします。
どの言葉を受け入れて、どの言葉を受け入れないのかは人それぞれだし、最終的には自分で決めるのですが、この言葉が刺さったのは当時の自分の本質をズバリ言い当てたのと、今後自分がなりたい自分を具体化していたからなのかもしれません。