僕は以前からひとつの確認と検証の意味もこめてできる限り原発事故付近を見てみたいと考えていました。
バイクとかがあればいいのですが、原チャリは売っちゃったし、車も運転できませんので電車しかありません。そこで目を付けたのが常磐線竜田駅です。
竜田駅は福島県楢葉町というところにあって、福島原発の事故によって常磐線の終着駅になっています。これから先は危険だから行っちゃあいけないということでしょう。
実際に文部科学省の放射線マップを見るとはっきりと色分けされていて、これ以上は行っちゃあいけない雰囲気が出ています。
ただ、じゃあ放射線はどこまでがよくてどこからがヤバい量なのかは専門家ではないのでわかりませんし、そこで生活している方がいらっしゃって国が禁止にしていないのであれば僕には大問題のように感じません。
そこで、ひょんなことから8月14日に竜田駅で楢葉町祭りが開かれることを知り、時間がありましたので行ってきました。
竜田駅はJR柏の駅から1時間ほどで水戸に行き、水戸から乗り換えて2時間ほどの場所にあります。後述しますが駅の周辺を歩いても生活の拠点としては完全に機能していません。
↑そのため水戸からしばらくすると車両の中は僕一人。電車内でも3~4人しかいなかったと思います。JRには悪いですけど快適快適。
駅をおり、しばらく歩いても人影はありません。本当にここにたくさんのひとが生活していたのかが不思議なくらいです。
もちろんコンビニもありませんし、飲食店もやっていません。お盆だからやっていないのかとも思いましたがそもそも生活の匂いがしませんのでおそらく普段からこうなのだと思います。
海の方面に歩く
道を歩くとすぐに基盤づくりの造成工事が目に入ります。しかし、2011年からすでに5年たっているにもかかわらずほとんど進展している様子には感じません。
それどころか本気で進展させようとしているのかというほど進み具合です。建物はもちろんまだ上下水道や電気などのインフラも全くの手つかずに映りました。
インフラの誘引からはじまり敷地形成して住宅がたつまで一体どれだけかかるのか、見当もつきません。
道を進むとすぐにこのような標識が目に入りました。ここからは津波の浸水地域だということです。
ここからは進入禁止の雨あられ。30メートルおきに禁止っぽい標識を目にします。
もうすこし深いところを見てみたかった僕は通りがかった60代くらいの男性を捕まえます。
最初は世間話をしてすこしとっぽいふりしてかわいげをだし、「海の方とかって、行っちゃあいけないですよねえ?」と聞いてみると、
「今はお盆だから誰もいないよ。行っちゃいなよ」
と背中を押してくれました。よし!ここから先は完全に自己責任ですすむことにします。
少し進むとやや造成工事が進展したエリアが見えます。だれ一人いません。
見る人からすればショッキングかと思いますが、そこらへんに大きな黒いビニール袋が積んであります。
放射線を含んだ土をこの中に入れているのでしょう。
この袋は耐候性大型土のうというらしいです。放射線の高い表土をここに集めてとりあえずしのぐということでしょう。
海側のエリアには淡水の貯水エリアもあって、どこも大変にきれいな水です。何に使うのかはわかりません。
淡水と言いましたが、飲んでいませんのでわかりません。海水かも。
さらに進むと海の音が聞こえます。ザッパーン!と波を打つ音です。
天気も良くて、風も少ないのに波はけっこう強い印象です。
ここで、急に恐ろしくなり引き返します。この波が人を襲ったのかということと、いきなりこの波が僕を飲み込んだらなすすべもないだろうということが頭をよぎったのです。
ここまで読んでいただき、いろいろ意見はあると思います。僕も多くの方がなくなった場所を見に行くのは野次馬精神だとか不謹慎じゃないかとか自問自答しました。
もちろんお読みいただいてそのように感じる人もいるかもしれません。不愉快に感じましたら申し訳ございません。
・・・などといろいろなことを考えながら駅の方に戻りました。
楢葉町祭り
駅に戻るとお祭りの真っ最中でした。
最初はさみしいお客の入りでしたがどんどん増えて3時ころに帰るころには結構な人でにぎわっていました。
いろいろと見て回るとイカ焼きと生ビールが目に入りました。めちゃめちゃうまそう。
生ビール500円とイカ焼き400円。ここでお店の人と仲良くなった僕は失敗を犯します。
まずは↑のひとにうまく丸め込まれてビールを二杯飲まされます。ここまではまあよかったのでしたが・・・
さらに↑のひとに日本酒をすすめられ、気分良くなった僕はさらに日本酒を二杯飲まされ、もうベロベロ・・・。
自宅までは4時間はかかるし、電車は1時間に一本あるかないかなので夕方前には帰路につきました。いやあ、うまかったなあ・・・。