CSC_0006[1]

行政書士の上田貴俊先生(以下 上打先生)とは、上打先生が大学を卒業するかしないかのころに出会いました。

僕はそのころ西麻布でダイニングバーを経営していて、アルバイトの採用をしていたところ面接に来たのです。

最初の印象は身ぎれいで受け答えもそつがないし、言葉を選んで丁寧な対応をする好青年でした。

もちろんその印象は今まで変わることなくいるのですが、そのころは線が細いというかいろいろと気にしすぎなところがあって打たれ弱いんじゃないかという心配があったのです。

 

しかし、そういった線が細い印象は実は上っ面で、うちに抱えたものは大胆で突拍子もないことを平気でする人だったのです。

上打先生は大学を卒業するとなぜかカナダを皮切りに世界一周旅行の旅に出て、帰国後は自分がやりたかったお笑いの世界に入るなど、とにかく自分のやりたいことを追求する(というかあがいた結果やりたいことにたどり着く)道を選びました。

 

お笑いの世界はなかなか厳しく、何度かステージも見させていただきましたが本人の熱意とは裏腹になかなか結果がついてこないという印象を受けていました。

そうこうするうちに、上打先生にとっては自然な流れだったのかと思いますが、「行政書士の試験を受けたい」と急に相談をしてきたのです。

 

まだお笑いの世界に入って短かったし、後悔しながら試験勉強をしてもダメだと思ったのですが、もう少し話を深く聞いてみました。

実は上打先生は初対面のアルバイトの面接のときに「将来は行政書士の試験を受けたい」と言っていたのです。そして、それなりにお笑いの世界を知って自分との相性とかを考えぬいた結果出した結論だと説明したのです。

 

僕はこの段階で試験に受かる確率は半分くらいで、3年以内に合格すればいいかもしれないけど、それでだめならあきらめろと言おうと思っていました。行政書士試験はそんなに生ぬるくはないからです。

試験勉強のテキストと勉強方法をかるくおしえて、あとは上打先生の頑張り次第だというところですでに試験まで8か月に迫っていたと思います。

上打先生は法学部出身ではないし、法律用語を覚えることから始めなくてはいけないので最初は大変だったと思います。

事実、夏の模擬試験では散々な出来で、結果を僕に報告するのも拒んだくらいにコテンパンにやられたと後で聞かされました。
続きを読む