ま、悪人であることには変わりないのですが、この前テレビでみた映画「るろうに剣心」の志々雄真実はよかった。
並外れた強さを持ち、そして野心をもっていたので同僚に疎まれ、裏切られて全身火あぶりにされます。
しかし志々雄真実は生きのこり、社会に対して深い怨念を持ち国家転覆をはかります。彼の理想は弱肉強食で強いものが弱いものを完全に支配する富国強兵の極みでもあります。
もちろん悪人ではあるのですが、じゃあ正義ではないのかといえば違う気もします。
志々雄真実は志々雄真実なりの正義で動いただけなので単純に悪人でかたづけられるものでもないと思うのです。
金持ちの愛人の子供としてうまれ、しいたげられて育てられた結果、常に笑顔でいることが自己防御の唯一の手段であった瀬田宗次郎。
家族を惨殺され吉原の遊女となり、生きるためには美しく居続けなくてはならない運命を背負った駒形由美。
「そんな人は現実にはいない」と思う人もいるかもしれませんが、大なり小なり女性は女性らしさを社会から押し付けられているものです。
残酷な運命を背負った女性の中には駒形由美の人生を自分のことのように思える人もいるかもしれません。
駒形由美↑の残酷な運命を理解できるのは志々雄真実しかいないだろうし、駒形由美からすれば
「ほかの男に私の人生が理解できてたまるか」
が本音でしょう。
そのほかにも様々な残酷な運命をたどった志々雄真実の取り巻きからすれば、志々雄真実こそが正義のヒーローなのです。
自分がやっていることの意味さえわかっていれば、何をしていようがその人は正義だと思うし、他人がどうこう言えるものではないと思います。
志々雄真実は自らを悪人だと理解している段階でその意味をわかっていると思いました。
(現在では、もちろん違法行為はだめです。念のため。)
テレビでみた映画るろうに剣心、よかったよ!お勧めです!