阿佐ヶ谷でクライアントワークがあり、その次のアポイントまでに時間があったので近くでうまいものを食べようと思って入ったお店がこちら。
これは個人的な意見なのですが店名でテロワールという名前を付けるお店にまずい店はないと思っています。
テロワールとは「土地に根差した」というフランス語なのですが、これはまじめな店主でないとつけられないネーミングだと思いますし、しかもそれなりに気合が入っていないとつけられない名前でしょう。
22歳のころに吉祥寺に同名のワインビストロがあってよく通いましたが、そのお店とは関係がないようです。
ファサードがシンプルこの上ない作りですし、表通りに面していない立地も「うまいものを食べられるオーラ」を感じます。東京都のビストロとしてはベストな立地と言えますね。
六本木や西麻布のように客も店側も物欲と名誉欲と権力と性欲が混沌とした権化のような店ではなくて,飾りっ気も何もありません。そこも新鮮でうれしかったです。
11:30と少し早い入店だったので客は私一人。12席しかないのですが予約しなくても入れました。こうやって表現すると暇そうな店だと思われますが、単純にタイミングの問題でしょう。このお店は売れるお店だと思います。
ランチは1種類で1350円。デザートを付けると1600円くらいになります。
メニューは前菜がお任せで一皿、メインディッシュが肉か魚を選んでコーヒーか紅茶が付きます。
おそらくフランスで修業したのだろう店主がシェフとして一人で調理場を仕切ります。ものすごいまじめそうないでたちでウエイトレスの店員(たぶんアジア系外国人)に檄を飛ばしています。一緒にはたらいたら絶対にケンカしそうだな・・・。
いろいろつっこみどころのあるメニューですが、シェフはメニューの表現に装飾はしない主義なのでしょう。マスターソースは確実にマスタードソースなのですが、とてもそんなことをいえる雰囲気ではありません。
前菜はパテドカンパーニュ。肉とかレバーとかをスパイスでテリーヌ型に固めた前菜です。ビストロの定番メニューでワインがほしくなりますが我慢しました。
味付けは素朴ですがレバーの臭さもないし、かといって物足りなさもない状態でした。夜にワインを飲みながらゆっくり食べたいです。
メインは豚肩肉のソテーマスタードソース。ボリュームも多く、 味付けもしっかりしています。
付け合わせにジャガイモのドフィノワ(ポテトのクリーム煮)がありました。久しぶりにドフィノワを食べましたがやはりおいしい。
感心したのが野菜が数種類あるのですが、そのどれも別々に火を通していてジャストな歯ごたえだったので飽きずに最後まで食べられました。
270円プラスでデザート。サツマイモのクレームブリュレでした。ランチで女性客を狙うのであればもう少しがんばってもいいかと思いましたが、調理場が一人なのでオペレーション上仕方ないでしょう。
コーヒーもおいしくて満足でした。
六本木や西麻布のようにお金のにおいがプンプンするような場所でもありませんから客層も落ち着いています。近所の方が普段着使いするような感じですからおしゃれしていく必要もありません。
阿佐ヶ谷は比較的よく行くのでまた行きたいと思います。
ビストロ ル テロワール 基本情報
住所: | 杉並区阿佐谷北2-1-2 文化商事 2F |
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電話: | 03-3336-1033 |